公開日:2021/11/30
カテゴリー:不動産がある人の遺言書, 相続不動産のお悩み解決コラム
今回は「遺言書が必要なケース」をテーマにお話いたします。
遺言書が必要なケースは幾つかあるのですが、まず、その中で「子供のいない夫婦の遺言書の必要性」についてご説明します。
ご主人が亡くなった場合に奥様が相続できる権利とは
子供のいない夫婦で、ご主人の方に兄弟が2人おり、ご主人の親御さんはすでに亡くなっている場合について例を挙げます。
ご主人が家を持ったまま亡くなってしまった場合、奥様が100%その家が相続できると思われる方が多いのですが、実は違います。
法的に奥様には4分の3しか権利がなく、残りの4分の1はご主人のご兄弟に権利があります。
このことをご存じない方が多いので、是非知っておいてください。
ご主人が亡くなった後の遺産分割協議書の作成の際に、奥様とご主人の兄弟が話し合ったうえで、奥様に100%相続して良いという話になれば、全て奥様に不動産の権利が行きます。
ですが、この時にご主人のご兄弟が「4分の1の権利が欲しい」ということになれば、奥様は現金などで用意出来ない場合には、住んでいる家を売らないと4分の1の権利を渡せないということも起こります。
こうならない為に、不動産を所有しているご主人は遺言書を作成しておく必要があります。
では、なぜ遺言書があると権利が全て奥様へ行くのでしょうか?
亡くなったご主人の兄弟には「遺留分」が無い
「遺留分」とは亡くなった被相続人の兄弟姉妹以外に、親しい関係にある法定相続人へ最低限保証される遺産取得分のことです。
これは遺言書の内容がどうであれ、法的に保証されています。
ですが、この遺産を最低限もらえる権利は亡くなった方の兄弟にはありません。
つまり、遺言書で「100%妻に相続させます」という内容を作成していれば、その内容が最優先されるので、遺言書どおり奥様へ全て相続することが出来るようになります。
事例:遺言書が無いままでは相続が進まないことも
実際にご相談のあった事例を紹介します。
子供のいないご夫婦がいて、ご主人が遺言書を作成せずに亡くなってしまったのですが、そのご主人には兄弟が7人いました。
奥様はご主人の兄弟との遺産分割協議が整わない状態で亡くなってしまったのですが、その奥様にも兄弟が6人いたのです。
奥様の兄弟とご主人の兄弟あわせて、13人。
その中でも、もう他界されている方や行方不明の方もおり、今や相続人に該当する人数は30人以上になっているケースがあります。
こうなってしまうと、誰も住む人が居ないが相続手続きが進まないために、売る事も貸す事も出来ずそのままの状態・・・いわゆる「空き家」になってしまいます。
まとめ
遺言書の有無は、その後の相続手続きに大きく影響します。
お客様の状況に合わせてご提案いたしますので、お困りごとは相続不動産の総合専門家であるスリーウェイズまでご連絡ください。
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