空き家管理の教科書
相続した不動産がある方、または、誰も住むことがない実家がある方、その家は今きちんと管理が出来ていますか?
スリーウェイズへは、「親が高齢者施設に入って空き家になってしまった」「相続が発生して実家が空き家になってしまった」というご相談が多く寄せられています。
空き家に限らず、家は人が使っていないとすぐに傷んできてしまいます。
ものによっては半年くらいでカビが生えてしまったりする為、空き家はしっかりと管理をすることが大切になります。
弊社では空き家管理サービスをご提供していますが、皆様ご自身でも空き家の管理をすることは可能です。
空き家をそのままにしていると、相場より低い価格での売却になる事があります。
いざ不動産売却する際に損をしないように、適切に空き家管理をする事がとても大切です。ぜひ参考にご覧ください。
1.空き家管理を始める前に、家族・身内で決めること
まずは次の3点について、ご家族や身内の方などでご相談ください。
- ①空き家管理をするためにどのくらいのペースで通えるのかを決めておく
- 兄弟がいれば、誰がどのくらいのペースで行くか、行くときは一緒に行くかなどを決めておきます。
毎月最低1回、できれば月2回くらい行けると良いです。 - ②空き家管理の必要経費や維持管理費を計算しておく
- 自宅から離れた場所に空き家がある場合は、交通費などの費用概算をしておくことが大切です。
また、水道・ガス・電気などのライフラインは、停止するかそのまま契約しておくかも決めておく必要があります。
各種ライフラインの継続については「5. 空き家のライフラインの契約(電気・水道・ガス)について」で詳しくご確認ください。 - ③空き巣に備えておく
- 貴重品類は子供世帯の自宅に持って帰ってきたり、コンテナなどを借りたりする必要があります。
この3つがある程度決まったら、今度はご近所の方へご挨拶をするようにしましょう。
1戸建ての場合は、台風で屋根の瓦が崩れたりテレビのアンテナが倒れたり、庭の植木が茂ってきて道路やお隣の方に越境してしまう・・・などということもあります。そうなるとご近所へご迷惑をかけてしまいます。
すぐに連絡が取れるようにしておけば、ご近所の方も安心して暮らして行けるようになります。
ひと言「頻繁には来れませんが、何かありましたらすぐにご連絡ください」とお伝えすることでご近所との関係が良好に保てるようになります。
周辺住民と良好な関係が築けていれば、生活の中で自然と監視の目も高まります。
2.空き家管理の持ち物と服装について
次に、いよいよ空き家管理をする際に必要な持ち物と服装です。
- 空き家管理で必要な持ち物
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- ・掃除道具
- ・軍手
- ・雑草取りや植栽剪定バサミ
- ・スリッパ
- ・電気停止中の場合はライト
- ・ゴミ袋
- ・ドライバーなどの工具
- 空き家管理時の服装
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- ・動きやすい服装
- ・汚れても良いものを着用
- ・なるべく夏場でも長袖(蜂の巣対策のため)
空き家の場合、久しぶりに行くと蜂の巣が出来ていたということもよくあるので、夏場でも長袖を用意することをおすすめいたします。
3.空き家管理:建物内のチェック項目
いよいよ空き家を管理していきます。まずは建物の中について確認する6項目はこちらです。
- ①周辺確認・施錠確認
- まず、空き家物件の周辺を回って、異常が無いかを確認してください。
また、前回の訪問時の施錠がしっかりと保たれているか、玄関やその他の窓が開けられた形跡が無いかを確認してください。
理由は、侵入者が入った形跡が無いかを確認するためです。
様子がおかしい場合は建物内に入る前に警察へ連絡してから中に入るようにしてください。 - ②換気を行う
- 建物内の不要な湿気を取り除くために十分な換気をする必要があります。
出来れば、窓を全て開けてしっかり風を通すことをお勧めいたします。
戸棚や箪笥、クローゼットなどもしっかり開けて換気をしましょう。
畳は湿気安いので長期に空き家になる場合は畳を畳を上げておく事も必要になる場合があります。
建物にとって湿気が一番の大敵と言っても過言ではありませんので、普段から換気扇を回したり除湿機を使ったり、湿気取りの炭を置いておくなどの工夫もしてください。 - ③壁や天井に劣化や破損が無いかを確認する
- 確認方法は、直接手で触ってみたり、床の場合は足を踏んでみて抜けそうな部分が無いかをご確認ください。
雨漏りなどを含めた確認をしっかり行いましょう。 - ④家具、建具の定期チェック
- 窓が開けにくかったり、扉が開きにくかったりなどしていたら、修繕するか修繕の依頼を専門家に行ってください。
特に窓は開け閉めを頻繁に行っていないと動きが悪くなりやすいので、無理に開け閉めせずにプロにご相談ください。 - ⑤室内清掃とメンテナンス
- 全体の汚れを把握して、清掃の必要な箇所を十分見極めて清掃を行ってください。
全部やろうとすると時間がかなりかかってしまうので、時間配分もしっかり考えた上で行ってください。 - ⑥水道や電気のチェック
- 水道や電気の契約を継続している場合は、蛇口を捻ってしっかり水を出す、電気を付けるなどをして確認をしてください。
水道の場合、数分程度水を流す事をお勧めします。
特に排水管は水を溜めている事によって、臭いが上がる事を防いでいます。
空き家で、水道管パイプの水が全て蒸発してしまっていると臭いの原因になってしまうので、月に1〜2度は必ず水を多めに流しましょう。
4.空き家管理:外周のチェック項目
建物の外周のチェック項目は以下です。庭を含めた外周のメンテナンスも確認していく必要があります。
- ①ゴミ拾い
- 周囲のチェックも兼ねて、まずはゴミ拾いを行います。
住んでいない空き家は通行人がゴミを投げ捨てたり、動物が様々なゴミを放置してしまうという事があります。
また、雑草が伸び放題になっていたり、樹木が敷地からはみ出して道路や隣地に越境してしまう事もあります。
伸び過ぎた庭木は近隣や行政とのトラブルに繋がる事にもなりますので、注意が必要です。 - ②郵便物の確認
- 空き家の場合はそのままにしておくと郵便物が溜まってしまいますし、チラシなども大量に投函されてしまいます。
ポストをテープなどで塞いで郵便物やチラシが入らないようにしておくことをお勧めします。
郵便は転送にしておいて、管理する人の家に届くようにしておくと、親がどういう契約をしているのか、どこのカードを使っているのかを知る機会にもなりますので手続きをしておきましょう。 - ③外壁や塀の確認
- 空き家の外壁やブロック塀をしっかりと確認してください。
壊れると多大な被害を近隣や通行人に与えてしまうことがあります。
そういった場合の賠償に備えて、しっかりと目視でチェックをすることが必要です。
賠償保険に単独で加入するか、火災保険に特約として賠償保険をつけることも出来るので、保険会社に相談しましょう。
空き家の場合には加入出来ない保険会社もありますのでご注意ください。
5.空き家のライフラインの契約について
電気の契約
電気は管理に来た際に真っ暗だと掃除もしにくいので、契約を継続しておく事をお勧めいたします。
換気扇を回して置くことも出来ますので湿気の対策にもなります。
また、今は電力の自由化で基本料なしで使用料の単価が少し高めという電力会社もありますので、空き家の場合はそのような会社と契約する事もお勧めです。
水道の契約
水道はいつでも出るようにしておくと、管理の時に掃除・通水に便利ですが、絶対ではありません。
停止して置く場合は、大きなペットボトルに水を入れて持ってきて、通水だけをしておくという事でも大丈夫です。
ガスの契約
ガスは掃除の時に必要で無いようなら、停止をしておきましょう。
プロパンガスの場合はガスボンベまで外しておくかどうか、供給しているプロパンガス業者とご相談ください。
もし、空き家管理が大変な時は・・・
ここまでご覧いただいて、ご自分での空き家管理は出来そうでしょうか?
もし「自分達だけでは、なかなか難しそう・・管理出来るか不安。」と思われた方は、私どもスリーウェイズにご相談ください。全国対応で空き家についてご相談を承っております。
空き家は、再利用をする場合でも不動産売却を検討する場合でも、まずきちんと管理をしていく事がとても大切になります。
弊社の取り扱った物件でも維持管理を怠ったことで数百万円も損をしてしまった事例もあります。
空き家管理サービスなどの業者を利用すると若干費用は掛かりますが、相場での価値を落とさない為にも、維持管理はとても大切です。
お困りごとがありましたら、何でもご相談ください!
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→相続不動産のお悩み解決チャンネル「自分で出来る!空き家管理マニュアル」